21、隠し事なき影子の性情報

 第4話には、影子が正一に、自分の使っている生理用品をばっちり見られてしまったらしい、ちょっぴり恥ずかしいシーンがあります。影子は、この時、中学二年でしたので、生理が始まっていたとしても、決しておかしな年頃でもないでしょう。
  状況から考えて、彼女は、九州に働きに行っていた期間中に初潮を迎えたのではないかとも推察されます。だから、正一の家に戻ってきたばかりのこの日は、生 理関連の後始末についても、まだ十分に慣れてなくて、うっかり正一の前でも生理用品をそのまま放置してしまうという失態をやらかしてしまったのだとも考え られる訳です。
 生理なんて、女の子が一番触れられたくない秘密なのに、そんな話題まで堂々と明記されている影子の事が少し可哀相に感じている読者もいるかもしれません。確かに、普通の小説の清純な美少女ヒロインとかでしたら、こんな羞恥な一面まで丁寧に紹介されたりはしませんもんね。
  しかし、このあと、影子はもっと酷いセックス強要やレイプ行為にもさらされるのです。当然、それらは女性への気遣いのないセックスになるだろうから、膣内 への中出しとなるでしょう。これで、影子がまだ初潮前でしたら、性暴力だけでおさまるのですが、すでに「女の体」になっていたとすれば、妊娠の危険性も考 慮しなくてはいけなくなってくるのであります。
 そのへんの事情があったからこそ、この第4話という早い時点で、すでに影子は生理が始まっていた事を明示しておいた次第です。実際、この「子供ができる、できない」という心配は、いじめセックスやレイプのシーンでは非常に重要な要素として取り扱われています。
 もちろん、それ以前に、ここまで露骨な性描写が、この「影の少女」という小説に必要だったのだろうかと疑問を投げかける人もいるかもしれません。でも、あえて答えさせていただきますと、「必要」なのです。
  なぜなら、影子の突然変異とは両性具有であり、その事を示唆している伏線が、一連の性描写シーンの中に、さりげなく混ぜてあったからです。第9話の性的い じめのエピソードの中には、影子が桐生たちに「性器の形がいびつだ」と嘲笑される一コマがありますが、これこそは、いじめで中傷されただけだったのではな く、本当に影子の女性器は(両性具有ミュータントゆえ)少し変形していたという、恐るべき伏線になっていたのでありました。(のちに、第13話でも、法鬼 医師がその点をはっきりと指摘しています)

 

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