3、影子の美少女ぶり

 「その子は、まるで、女優かCMモデルじゃないかと思うほどの美少女だった。」

 何だか、二昔前の少年マンガに出てきそうな文章ですが(笑)、このフレーズより、本作「影の少女」の惨劇は幕開けとなります。
 なぜ、こんな大げさな「影子褒め」を冒頭に持ってきたかと言いますと、実は、オリジナル版の「影の少女」(20年以上前の作品)で、影子の美少女ぶりの描写として、この表現がモロ使われておりまして、ずっと気になってたからなのでございます。
 オリジナル版執筆以後は、私は、影子のこの超美少女ぶりを剥奪し、より平凡な少女として描くように努め始めたのですが、このたび、「rewrite」で は、「影子の集大成」を目指していた事もあり、この馬鹿げた絶賛表現も復活させる次第となって、その際、思いきって、最初の言葉に使わせていただいたので ございます。
 まさに、「美少女ぶり」が、この一言に集約されてしまっていると言っても、過言ではないでしょう。
 本音を言いますと、「rewrite」内で、影子を「美少女」と言い切るかどうかは、最後まで迷っていた部分でもあったのです。なぜならば、個人の感性 によって、どの女の子を”最高の美少女”と思うかは異なる訳ですし、「正一から見たら、影子は凄い美少女」と言うだけの話にした方が、内容に多元性を持た せれて、面白いかな、とも思ったからです。
 しかし、ストーリー展開の都合上、やはり、影子は「美少女」にする必然性があり、本編内では、はっきり、影子が美少女である事が、正一以外の人間の口からも指摘されています。
  ちなみに、影子は、美少女であると同時に、男装すると、とびっきりの美少年にも見えると言う設定になっています。これは、実際の美男美女タレントが男装女 装しても、やはり美男美女に化けれるという事実に基づいておりまして、要するに、美男美女というのは、その整ったルックスゆえに性を超越して美しいものな のであります。もっとも、「影の少女」の影子の場合は、そこに、さらに恐ろしい秘密が加わっているのですが。

 

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