31、清水の存在の重要性

 第6話「それぞれの青春」にて、影子に並ぶ、同学年のいじめられっ子・清水が登場します。
 影子と清水はペアにされて、いじめられる訳 ですが、その内容は、なにもセックス強要などという過激なものでなくても良かったのではないか、と疑問視された方も多いかもしれません。しかし、男子のい じめられっ子と女子のいじめられっ子が二人揃えば、そこから「男女ペアじゃないと出来ないイジメ」がひらめくのは、自然の流れと言うものです。セックス強 要は、遅かれ早かれ、この二人に降り掛かる運命だったのです。
 清水と言う、もう一人のいじめられっ子の存在は、本作の転換として、非常に重要で す。当初、影子は、自分だけがいじめられるのなら、自分へのいじめは放置しておいてもいいだろう、自分だけ我慢すればよいと、心に決めていました。ところ が、自分とは無関係にいじめられている清水の存在を知り、激しいショックを受けて、誰もいじめられる事の無い世界を作ろうと考えだすのです。のちに、世界 征服にまで発展する影子の計画は、結局は、全て清水を助ける為に始めたようなものだった訳です。清水と出会わなければ、このあとの影子の暴走も無かった事 になります。それほど、清水の存在は、影子に影響を与えるものだったのです。
 しかし、それならば、別に男子でなくても、女子のいじめられっ子で もよかったのではないか、と指摘する人もいるかもしれません。でも、私としては、この「影の少女」には、「もう一人の女のいじめられっ子」は、どうしても 出したくありませんでした。同じような女子のいじめられっ子が出てきて、いじめの内容が二人に分散されてしまうと、影子の哀れさが薄れてしまう恐れがあっ たからです。その点、男子のいじめられっ子でしたら、似たようなイジメでも、若干、感じ方が変わってきますし、男子ならではのイジメとかも言及できる利点 があった次第です。
 この「男子のいじめられっ子」役のキャラに、作者の分身である清水を採用したのも、私が影子とカップルを組みたかったからと か、そーゆーセコい理由の為ばかりでもありません。影子に匹敵する、この気の毒な役を、他のキャラにやらせるのは申し訳ないと言う、作者としての登場人物 たちへの配慮が働いたからだったりもします。

 

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