38、いじめの解決の難しさ

 さて、いじめと言う問題は、どうすれば無くなるのでしょうか。
  手っ取り早い話が、いじめっ子さえいなくなれば、いじめは完全に無くなります。生かしておけば、また復讐をしかけてきたりしますので、さっさと殺してしま うのが後腐れのないやり方だと言う事になり、いじめをテーマにしたホラー作品などでは、躊躇なくいじめっ子が惨殺されて、それでメデタシメデタシで終わり になってしまいます。
 100歩ゆずって、いじめっ子なんて殺してもいいと言う主張を認めたとしても、現実の世界では、そんな方法でいじめを無く そうとすれば、とんでもない事になってしまいます。それほど世の中にはいじめ(類似する虐待、差別行為も含む)が満ちているのであり、全てのいじめ被害者 を救おうとするならば、大量の人間を殺さないといけない事になってしまうからです。まさに、いじめっ子大虐殺です。
 些細ないじめ行為でも許さないとなれば、それこそ、全人類が殺害対象になってしまうかもしれません。いじめとは、それほど根が深い問題なのです。
  そこで、いじめっ子と言う「人間」そのものを殺害するのではなく、いじめっ子の心の中にある「いじめをしたいという心」だけを殺害してしまうのはどうで しょうか。取り除く、という言い回しに変えてもいいです。これなら、人そのものは抹消しなくてもいいので、大多数の人間に適応しても問題なさそうです。そ れこそ、前述したように、全ての人間に「いじめの心」は多かれ少なかれ潜んでいる訳ですから、全人類から「いじめをしたいという心」を排除してしまっても いいかもしれません。
 それを実現する為には、まず「いじめをしたいという心」の構造を見極め、それを的確に消滅させるシステムを確立させ、最後は、それを全人類に施行できるように、地球の絶対的支配者となるべきです。
  いじめの話を書きながら、作者の私は、いつも、その解決方法を巡って、こんな事を真剣に考え続けていました。もちろん、こんな大掛かりなアイディアは現実 世界では実現できそうにありません。「影の少女」とは、作者の私に代わって、影子がこの最大の計画を思い通りにシミュレーションしてくれた物語だったので す。

 

表題に戻ります