39、いじめ崩壊の序曲

 第3話の終盤から始まり、第5話中心に猛威をふるい、第6話の究極のイジメを経たあと、第7話では信用していた正一にも裏切られかけ、影子へのいじめも悪化する一方に見えましたが、第8話に至って、ようやく解決の兆しが見えてきます。
 いじめなんて異常な状態はいずれ収まるものなのだ、と解釈したいところですが、この収束の流れには、きちんとした事情が存在しています。
  まず、隣クラスのいじめっ子たち、米田のグループがまとめて休学してしまいました。その事によって、二学年全体のいじめ主導の空気が乱れてしまい、これま で抑圧されてきた一般生徒たちのいじめっ子及び不良生徒たちへの反感がじょじょに浮かび上がってきました。当然、教師たちもそうした雰囲気は敏感にキャッ チしますので、この機会にこそ、残った在学中の問題児たちもいっきょに更生させてやろうという勢いになってきます。
 ただでさえ、そんな状況で、 心理的に不安定になっているのに、影子いじめの中心である桐生たちは、いじめの決定的証拠であるビデオテープを無くしてしまうという、とても心配な事態に 陥っていました。そうしたマイナス要因が重なってしまった結果、桐生は不用心に影子をいじめてしまい、今度こそ、その現場をしっかり担任の太田先生に見つ けられてしまって、影子へのいじめ問題は急速に決着がつきそうな様子になってきたのです。
 ずっと息苦しい描写が続いていた為、ここに至って、読者もようやく安心して話を読み進めれるようになった事でしょう。
 もっとも、米田たちが休学に追い込まれたのも、もともとは、影子の暗躍が原因だった訳ですし、なんだかんだ言っても、結局は、影子自身が何かをやらかしたから、回り巡って、自身のいじめも解決の方向に向かったと言う事にもなります。

 

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