48、大人は何も分かっちゃいない?

 第9話の最後で、影子が殺傷事件に関与したらしき事態に発展した事で、影子は学校をやめ、彼女を監督・指導する大人も教師(太田)から警察(中村)に交替する事になります。
 それにしても、太田も中村もなかなかの人格者だったのではないかと思われるのですが、それでも、影子の表面的な善良な姿にだまされて、真実をまるで見抜けなかったような感じがします。
  中村は、爪田殺害事件の犯人は自分だと影子が自供していたにも関わらず、疑って、信じようとしなかったのです。それほど、普段のおとなしい影子の善人ぶり からは、彼女の血塗られた本心が分からなかったのでしょう。正一を催眠術にかけて、全ての真相が分かったあとでも、殺人傾向のある影子をそのまま放置して しまい、永山事件を未然に防ぎそこねると言う大失態を演じてしまいます。その永山事件のあとでも、まずは影子に事情を聞いてみようなどと言ったりするの は、あまりにも態度が優し過ぎます。
 最終的に、中村は、影子の事件から外されてしまったようなのですが、正一が考えたような山井の陰謀などではなく、中村自身の捜査態度の甘さに原因があり、人類規模のミュータント影子の事件は任せられないと担当をやめさせられたのかもしれません。
 影子は、見た目は善良な優しい少女でも、物の考え方は人間とまるで異なった怪物のような存在なのです。(「34、影子の悪魔の実験」「35、正義は悪魔より怖い?」参照)彼女と触れ合った大人たちは、それこそ、正一の母親から山井博士に至るまで、誰もがそのへんをよく理解していなかったようです。だから、正しく影子を導いていたつもりでも、それは空回りし、どんどんと彼女を本当に恐ろしい怪物へと変えていったのかもしれません。

 

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