53、悪夢のような第11話

 第11話「恐怖の色彩」では、正一が、催眠術にいざなわれて、無くしていた例の事件当時の記憶をついに取り戻す事になります。
 その内容は、想像していた通りのおぞましいものでした。しかし、その不快さと言うのも、暴力やグロテスクな怪物などに抱いた恐怖などではなく、もっと精神面に突き刺さるような、はがゆい怖さだったのです。
  まず、影子の館に足を踏み入れた途端、影子がセックスいじめを受けた時の音声が聞こえてくるあたりから、早くも予測外に状況がイカレています。すでに忘れ されそうだった残酷なセックスいじめの事をまたもや反復させられ、いやがおうでも、これからもっと酷い事が起きそうな予感が強まってくるのです。
  影子と桐生たちの対峙後は、影子が奥の手の恐怖の色彩のマントを公開し、これこそが恐怖の根源みたいにも感じられましたが、実際には、これすらも本当の恐 怖を盛り立てている小道具の一部に過ぎませんでした。本当に、正一に記憶が失うほどの恐怖を与えたもの、それは、何もかもが思い通りにいかずに最悪の結末 になってしまった、この時の悲惨な状況だったのです。
 影子は、計画では、桐生たちを圧制する事で、立場的に優位に立ち、彼女たちを自分に従わせ るつもりだったみたいですが、結果的には、桐生は発狂、爪田は大場の裏切りで刺し殺され、その大場も影子の前から逃げ出して、のちに自殺してしまいます。 全然、影子が目論んだようには、事態は進まなかったのです。
 そういう影子自身も、やってる事は、かなりムチャクチャだったりします。自分の指を 切っちゃったり、これまで自分が桐生たちにどんな仕打ちを受けたかを語り聞かせてみせたり。本人は、桐生たちを傷つけずに参らせるつもりだったのかもしれ ませんが、むしろ、よけい桐生たちを怖がらせる結果になってしまっています。
 さらに、影子の言う通りにしてくれなかった正一も誤算の一つと言えましょう。目をつぶらず、恐怖のマントを見ちゃった正一は、桐生たちと同じ体験をさせられる事になるのです。
 とりあえず、これで全ての謎は分かったはずなのですが、まだどこかしっくりいきません。そのへんのじれったい余韻を残しつつ、これにて「影の少女rewrite」の前半部である学校編も終了となります。

 

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