56、参考文献その1「キャリー」

 第12話の冒頭では、影子の為に正一が図書室から借りたと言う理由で、複数の小説・マンガのタイトルが脈絡もなく列記されます。これらの作品 は、いずれも実在するものばかりであり、実は、作中にて「影の少女」のヒント、イメージの参考となった作品を堂々と紹介した、さりげないお遊びだったので した。
 そのトップに掲げたのは、スティーブン・キングの「キャリー」ですが、作者・作品ともども、説明する必要がなさそうなほどの有名作です。 しかし、すでにあちこちで語っておりますように、「この作品を見なければ、『影の少女』は書いていなかった」と言うほど、「影の少女」に最大の影響を与え たフィクションなのであります。
 私が最初に見たのは、映画化された「キャリー」で、いっぺんに、この作品のとりこになってしまいました。これま で、いじめ問題を真っ正面から取り扱った小説は意図的に書くの避けていたのですが、この「キャリー」を見た事で、素直にこのテーマに本気で取り組める気持 ちになりました。そして、速攻で書き上げたのが、オリジナル版の「影の少女」だったのです。
 本編内で、この映画「キャリー」を引用しちゃうほ ど、「キャリー」に傾向している最初の「影の少女」ですが、それでも、少しは別物にしようという苦心のあともあり、主役の影子はキャリー以上の暴れっぷり を披露する事になります。影子中心の私の創作活動は、全て、ここから始まったのです。
 なお、「キャリー」につきましては、のちに新潮社から発売 された文庫版の小説の方も入手。絶版になっていた単行本の小説の方もしっかり収集し、映画の方は、しばらくビデオに録画したもので我慢していたのですが、 DVDで特別編が出ると、迷わず購入しました。映画のパンフレットやサントラLP(さらには、復刻版CD)も買い集め、今でも私は「キャリー」の熱烈愛好 者なのです。

 

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