62、謎多き正一の家族

 正一の家族構成は、両親の他に、兄がいて、恐らく、四人家族と思われますが、本編中には、正一と母親以外のメンバーはほとんど出番がありませ ん。それもそのはず、影子が所沢家のお世話になった頃、ちょうど父親は単身赴任中、兄は別の地方の大学に一人暮らしで通っていた、と言う設定になっていま す。
 なぜ、このような状況にしたのかと言いますと、家族がいっぱい出てきたら、事件が起きるたびに、周囲の人物それぞれの反応、態度などもいち いち書かなくてはいけなくなってきますので、それでは話が散漫になってしまう恐れがあり、影子と正一中心の物語をより書きやすくする為、母親以外の家族を 都合よく追い払ってしまった次第です。
 それなら、いっその事、正一と母親だけの母子家庭と言うシチュエーションにしてもよかったのではないかと言われそうですが、私としては、正一の家庭は、ごく平凡な小市民の一家と言う事にして、異常な環境で育った影子と、しっかり対比させたかったのでした。
 そして、何よりも、正一に兄がいると言う設定は、「影の少女」以外の作品でも普遍的な、正一のキャラそのものに付属した個人ディテールなのであります。
 シナリオ「パウチ」に、 正一の兄役で卓と言う青年が登場しますが、彼こそがまさに正一の実の兄です。二人は、「パウチ」以外でも、けっこう共演する事が多い兄弟キャラなのであり ました。たいがいは所沢姓の兄弟ですが、兄の卓の方がメインになる物語では、木島姓を名乗ったりする事もあります。なかなか使い勝手のいい、兄弟役専用 キャラたちなのです。
 余談ですが、私が幼い頃は、父は出稼ぎに行って、冬期間はずっと自宅をあとにし、兄は東京の大学に通って、数年近く我が家 に戻ってきませんでした。そんな実体験がありましたので、「影の少女rewrite」の父・兄不在の理由は、けっこうすぐに思いつき、イメージしやすかっ たです。

 

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