68、意外といいヤツ・永山?

 三年生の不良生徒・永山は、作中の説明では、かなり悪質な人物であるかのように紹介されています。しかし、本当にそうだったのでしょうか。ま ず、「影の少女rewrite」の本文が正一の手記であると言う事を忘れてはいけません。真面目な一般生徒である正一は、先入観によって、はじめっから不 良の永山の事は好きではないようなのです。それゆえに、事実を公平に判断しておらず、必要以上に永山をコワい存在であるかのように書いている可能性もあり うるでしょう。
 実際の永山の言動を追ってみますと、確かに荒っぽい面はあるかもしれませんが、よく分析してみますと、それほど卑劣だったり、残 虐だった訳でもなさそうです。影子の命を狙ったのは、仲間(桐生)の仇討ちの為であり、その動機はとても人間味があったとも言えます。影子狩りの行動を起 こした時も、「学校に通っている仲間は巻き込まない」という身内への思いやりを見せてますし、決闘を強制した影子へと武器(木刀)を分けてくれるような気 遣いも忘れてないのです。
 乱暴者で、言葉遣いも悪く、周りともよくケンカしていたのかもしれませんが、性格的には、永山は意外と真っ直ぐで、他人思いの心の持ち主だったのかもしれません。
 むしろ、見た目は善人そうでも、頭ごなしに不良・永山の事を侮蔑している山精や影子の方が本性は凶悪だったのかも知れず、自分は影子だと催眠暗示をかけられた永山は、決闘に連れてきた自分の仲間たちを血みどろの形で虐殺してしまう事となるのです。

 

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