71、雪降る中での少女のほほえみ

 第12話「半陰陽」には、影子が雪降る中で無邪気にはしゃぎまわると言う、屈指の可愛いシーンがあります。このシーンは、もともと、修正版「影の少女」の中にあったエピソードを少し手直ししたもので、私自身が雪国(北海道)育ちと言う事もあって、女の子と雪を組み合わせたシチュエーションはけっこう好きなのです。
  このシーンの中で、雪を素肌で受けた影子が「うふ」と微笑みますが、女の子の笑い声としては、私は「えへへ」が一番好きなのでした。実際、影子にも、過去 の多数の作品で「えへ」と微笑ませています。当然、「影の少女rewrite」でも、この笑い方を挿入したかったのですが、雪が冷たかった時の感動の笑み は、やはり「うふ」の方が妥当に思えました。その後、第14話でも、催眠術の施行に失敗した影子が、ごまかすように照れ笑いするシーンがあって、こっちで こそ「えへ」を使おうと思ったのですが、悩んだ末、「あは」の方を採用してしまいました。結局、「影の少女rewrite」の中では、影子は一度も「え へ」と笑わなかった事になります。
 ちなみに、影子が、南国育ちと言う訳でもないのに、はじめて雪に触った事でこんなに大喜びしたのは、過保護 で、雪の降る日は家の外に出させてもらえなかったから、というように説明していますが、やがて、続く第13話では、影子が置かれていた研究所時代の環境 が、過保護どころが、実験動物のような可哀相な児童虐待状態だった事が判明してゆくのです。
 影子が家庭内で母ひさおから暴行を受けていたと言う設定は、最初に書いた「影の少女」の時点ですでに目にする事ができます。もともとは、人間じゃないミュータントゆえ、学校ばかりではなく、家族(身内)からもいじめられていたと言う事(「57、参考文献その2『地球への遠い道』」参照)で、そのような状況にしたのですが、のちに、影子の存在を通して、人間のマイナス的な側面をよりアピールしようと思い、「学校のイジメ」と並行させ、「児童虐待」の問題として付け加える事にしたのでした。

 

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