74、謎の法鬼親子

 第12話「半陰陽」の終盤より、突然の新キャラとして、かなりの切れ者っぽく見える法鬼栄一医師が登場して、その次の章では、影子の正体を事細 かく解明してみせます。非常に重要な役回りのはずなのですが、彼の出演はこれっきりで、むしろ、彼の存在こそが、新しい疑問になってしまいそうな雰囲気で す。
 たとえば、この法鬼医師は、実は、正一や影子のクラスメイトである高二郎の父親でした。これまでのストーリーでは、時々チラチラと名前が出 る程度の脇役だったクラス委員の高二郎が、いきなり、こんな形で大きく話に絡んでくる事となったのです。高二郎自身は、どのくらい父親の手助けをしていた のかは分かりません。しかし、こんな裏の結びつきがあった事で、高二郎もひどく怪しい人物だったかのように感じてきだす訳です。
 なおかつ、法鬼医師は、「政府の依頼で、特異な人間を探していた」などと、ポロッと本当の事をもらしており、やがて、依頼主である山井博士が自ら乗り出してくる事で、この法鬼親子も山井博士の巨大な組織の末端部の関係者に過ぎなかった事が判明するのでした。
  もっとも、法鬼医師がどこまで山井博士に忠実で、心の内側が利己的なエゴに染まっていたのかは、ちょっと微妙に感じられる部分もあります。と言うのも、法 鬼医師は、影子の秘密を、上司の山井だけにではなく、善人の太田先生にまでペラペラ喋ってしまっているからです。太田先生との関係も、全くの平凡な教師と 父兄の付き合いのようにも見えて、そこには、まるで企みがありそうな様子は見当たりません。彼は、本当に、影子の事を思って、彼女の正体を太田先生や正一 にも明かしてくれたのかもしれません。
 その後の法鬼医師が、山井博士の行動にどう関わっていったのかは不明ですが、何とも気になる人物の一人だとも言えそうです。

 

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