77、影子と永山の仁義なき戦い

 第14話にて、ついに影子と永山が真っ向から対決する事になります。この勝負は明らかに永山の方が有利でした。永山が影子の事を詳しく知っていたのに対し、影子の方は自分を狙っているのが誰なのかすらも分かっていなかったからです。
  永山は、ネットサミットから聞き出した情報を活用して、巧みに影子狩りを始めます。暴走族の部下をひき連れて、影子が外出した時にでも襲って、いっきに始 末してしまおうと企んだのです。影子の武器である「恐怖のマント」についてもリサーチ済みで、サングラスをかけるという対抗策を準備して、挑んできまし た。さらには、知り合いの暴力団(蛇沼組)とも打ち合わせしていて、殺したあとの影子の後始末まで、すでに取り交わしていたのです。
 一方の影子 は、自分が狙われている事だけはうっすらと気付いていたので、あらゆる事態に対応できるような方向で、防護策を固めていました。手製の防弾チョッキを作 り、恐怖の模様以上に性能がいい恐怖の音を用意し、左手小指の中にもささやかながら小道具を仕込んでいたようです。
 しかし、影子が一番心配だったのは、自分の争いに周囲の人間まで巻き込んでしまう事だったらしく、桐生の時の一件から、特に、正一を人質に取られる事を恐れていたようでした。
  そこで、狡猾な影子は、自分から敵の手中に飛び込んでいく事を思いつきます。正一も敵に誘拐されたりしないように、自分のそばに連れ添わせておき、さらに は、自分がもっとも有利に行動できる母の洋館へと敵をおびき寄せてしまうのです。すでに勝った気でいた永山は、影子の行動が怪しいとは思っていたのかもし れませんが、自身としても影子が人目のないところへ行ってくれるのは好都合な状態だったので、あえて彼女の誘導に乗せられてやります。
 こうし て、準備は全て整って、洋館のダンスホールでの両者の一大決戦となったのでした。二人の戦いは、ほとんど影子の圧勝みたいな形で決着がつきます。永山は、 最終的には腕力こそが勝敗を決めると考えていたのかもしれませんが、そんな発想など受けつけないほど、影子の天才ぶりは上回っていたのです。敗れた永山 は、そのまま、影子の新たなる実験被験者として、恐るべき催眠術をかけられてしまうのでした。

 

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