81、意外とこズルい太田先生

 第15話中盤より、急にメインキャラクターの一人に昇格するのが太田先生です。
 それまでのストーリーでも、重要な謎解きシーンなどに は必ず参加していた人物でしたが、それでも、影子との直接の絡みが少なく、第三者的イメージが強かっただけに、この突然の参入ぶりには、やや強引さを感じ てしまった人もいたでしょう。最終的に、誰の手にも負えなかったじゃじゃ馬の影子を説教して、きちんと改心させてしまうと言う、オイシい役まで任され ちゃっているのですから、なおさらです。
 実は、このへんの最後のクライマックスで、太田先生が正一の重要なパートナーになるという展開は、オリ ジナル版の「影の少女」の時点で、すでに出来上がっていた話の流れでした。オリジナル版では、行方不明後、超能力テロリストと化して、人類への攻撃を行 なっていた影子を見つけ出す為、太田先生ははっきりと正一のあとをつけて、影子のいる隠れ家にまで連れていってもらいます。
 つまり、「影の少女rewrite」では、たまたま正一と同じ事を思いついたから、太田先生も影子の秘密の居場所に姿を現わしたかのような理由を述べていますが、やはり、正一も少し疑ったみたいに、太田先生は正一を尾行していた可能性の方が濃厚だったようです。
  一見、善人の人格者のように見える太田先生ですが、その動向を見返してみますと、意外と、要領よく、狡猾に立ち回っている部分も多かったかもしれません。 最後の影子への説教にしても、上手に正一を利用しています。おかげで、正一は、恐ろしい催眠術悪夢を見せられるハメになったのです。
 影子の謎を 真っ先に探し当てるのも、大体は太田先生でした。影子が知能指数140以上の天才であった事にいちはやく気付いたのも、正一の忘れ去った恐怖の記憶を復活 させる為に警察の手引きをしたのも、法鬼医師から先に影子の正体を教えてもらったのも、全て、太田先生だったのです。
 教師と言う役職上、教え子 の影子に関する情報は優先して回収できる立場にあったのかもしれませんが、それにしても、周囲の承諾を得ずにさっさと行動を進めているような場合も多く、 正一にしても、気付かずに太田先生に誘導されていた事もけっこうあったかもしれません。「影の少女」の物語は意外と太田先生によって話を進められていたの かもしれない訳です。

 

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