84、ひさおの優雅なる生活

 第15話にて、影子の母・ひさおは、自分の研究所内に、秘密裏にシェルターなど作っていた事が判明します。しかも、入り口がプール内の壁にある と言う、徹底した隠匿ぶりで、なおかつ、シェルターの内部は、普通の住居と変わらないぐらい広くて、設備も整っていたみたいです。何しろ、買い溜めの食糧 や自家発電まで取り付けられており、内部で人が暮らしている形跡を外部には全く漏らしていなかったようなので、そうとう高水準のシェルターだったのでしょ う。
 考えてみれば、そもそも、ひさおは本宅の洋館と研究所を別々に所有していたのです。その上、研究所の方は、自分の名声にモノを言わせて、国有地に建てさせていたのでした。生前は、ものすごく豪快に生きていたらしい事が伺えしれます。
  研究所の庭にはプールがあるような広さだったし、洋館の方も、ダンスホールがあるぐらいの立派な建物です。彼女は、そうとうワガママで、贅沢な上流社会の 生活を好んでいたに違いありません。ついには、人から頼まれた仕事も受けつけなくなり、自分の個人的興味のようなミュータントの研究だけに没頭してしまう ぐらいなのです。
 しかし、そんな身勝手な生活は、やがては自分に返ってきてしまったようでした。政府の土地を借りられて、自分でも土地付き本宅 を持てるほどの金持ちで、国の重要人物だったひさおも、次第に世捨て人と化してゆき、その事が彼女の財産も地位もどんどん削いでゆく事になります。影子が 成長した頃には、逆に借金を抱えている状態にまで落ち込んでしまっていたのでした。さらには、泣きっ面に蜂で、研究所は火事で丸ごと焼け落ちてしまうし、 本宅の洋館の方も借金の肩代わりに没収されてしまい、残された影子は文字通りの裸一貫になってしまいます。
 そう思われ続けていたにも関わらず、この第15話で、秘密シェルターと言う、意外なひさおの隠し財産が発見された事で、物語は再び大きく動き出す事になるのです。

 

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